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ストロベリーフィールド

第4章 真選組のしごと(後編)


バァン!

土「おわっ!」

後ろの扉がいきなり開いて飛び上がった。

近「おう!トシ!どうしたそんなところにつっ立って」

姿を現したのは近藤だけではなく、彼の後ろをゾロゾロと隊士たちが顔を覗かせていた。

沖「あれ。名前さんも来てたんですかィ?二人で密談でもしてやしたんですかィ?釣れないなぁ、俺も混ぜて下せェよ~」
土「そんなんじゃねーよ!稽古に付き合ってただけだ!」
沖「その割にはアンタは汗一つかいてねぇですぜ?」
土「っるせーんだよ!だいたい名前!みんな来るって気付いてたんなら言えよ!」

『あはは~すみません~話に夢中で気づかなくってぇ』

沖「やっぱり稽古なんかしてなかったんじゃないですか~」

『私はやってたよぉ?1週間以上もまともな運動しなかったから身体がナマっちゃってぇ~』

沖「ホントだぁ!名前さん汗だくじゃないですかぁ!それに比べて土方さんはな~にをしてたんでしょーかねぇ?」

土「妙な小芝居はいいからさっさと準備しろやっ!!」

沖田は面倒くさそうに返事を返して名前の横に並ぶ。

『あはははっ!沖田さん面白い!』

沖「そうですかィ?名前さんも案外言いますね~。実はドSの才能があるんじゃないですかいィ?」

『やだ!新しい門開いちゃった?自分でも知らない世界に気づいちゃった!?』

土「頼むから!これ以上ドSキャラを増やさんでくれ…」

名前は沖田と年が近いお陰か、土方とはまた違った距離感で話せるようだった。


定刻になると朝稽古が始まった。
男臭い中で名前は空気に飲まれるどころか、隊士たちを圧倒する腕前を披露した。

―剣の扱い方なら知ってるから。

そう言ったのはハッタリではなかったようだ。

土「ありゃぁ講師の指導なんかで身につけられる剣術じゃねぇな」
近「簡単な護身術って訳でもなさそうだな」
沖「実践の剣術ですねィ。一体どんな苦行を強いられてきたんだ、アイツは…」

隊長格とも堂々と打ち合っている名前に、息を呑むのは皆同じだった。
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