第2章 最初のいっぽ
声が聞こえる。
懐かしい男声。
これは…お父様の声?
あぁ、また商談してるんだ。
「本当に効果あるんですか?」
「いやいや~コレはウチの目玉商品です。もし不安でしたら一晩だけウチの娘に使ってみてください。きっとお気に召すでしょう」
下衆い笑い声が近づいてくる。
静かに襖が開かれると出窓に座るワタシと目が合う。
(割と若いな。媚薬は彼女のためか?)
そんなことをぼんやり考える。
2、3言やり取りがあった後、ニンマリ笑ったお父様がそっと襖を閉じた。
青年と二人きり。
大丈夫。やれる。いつも通りやればいい。
体を開いて、心に蓋をして。
言葉を交わす間もなく、男は竿を口に押し込できた。
もう驚きはしない。
青年の良いトコロを探しながらしゃぶる。
「…っあ!もう……イク!!」
『っぐ!!』
口から抜こうとしない。
目が飲めと言っている。
『…んぐっ………ふっ』
仕方なしに飲み下す。
「いい子だ」
そう言って抜いたモノは差ほど萎えておらず、休む間もなくワタシの足に手をかける。
「ククッ…もう濡れてるぜ?しゃぶって感じたのか?淫乱だな、お前は」
『はい、申し訳ございません』
「慣らさなくてもいいよな?」
痛いのは嫌い。でもこの男は痛くするのが好きなんだ。
『はぃ…っ!あぁ!』
ワタシの返事なんか聞いちゃいない。
ただ演じるだけ。
“客”の気が済むように演じるだけ。
「さて。じゃぁコレつかってみるか?」
そう目の前にチラつかせてきたのはワタシが一番嫌いな薬だった。
媚薬なんて浴びるほど使われて殆ど効かなくなってるけど、この薬だけはまだ免疫がない。
「それは!それだけは…やめてっ!」
「っるせぇ!てめぇは黙って足開いとけ!」
「いやっ!お願いっ…やめっ……あぐっ」
男の唇でワタシの唇を塞がれる。
唾液に交じって錠剤を流し込まれた。
ニヤリと笑う男にゾッとした。
「…あぁ!身体あついよぉ!お願い…頂戴っ!」
「良い声で鳴け、よっ!」
「ぃあ!…すごっ!もっと!もっとぉ…奥にィ!!」
蓋をした感情があふれ出す。
嫌悪と快楽がワタシをかき混ぜる。
やだ!
誰か
お願い
私を
――――――してっ!!