第2章 最初のいっぽ
土「つーわけで…」
と土方が煙草を加えて不機嫌そうに言う。
土「依頼の内容次第になるが、コイツを少し手伝ってやってほしい」
『んまぁ、私に出来ることならやるけど…なんか銀さんに弱みでも握られてんの?』
名前の心無い質問に銀時はニンマリと笑い、土方はバツ悪そうな顔で顔を背けた。
銀「依頼料が永久に未払になっちゃったのは、お宅ら真選組サマのせいだもんなぁ~」
『あ、そっか。お父様は殺されて、財産は差し押さえられて、銀さんは踏んだり蹴ったりなわけだ』
ん。。。
銀土「おいちょっと待て!!」
胸ぐらを掴まれそうな勢いで二人がかりに肩をグワシと掴まれて、名前は思わず身を縮める。
銀「殺されたって誰から聞いたんだ!!」
土「沖田か?アイツ喋ったのか!?」
『え?だ、だって病室の外で話してたよね?』
銀土「・・・・・え?」
掴まれたの手から力が抜けていくのを感じて思わず手首を掴み返し振り払った。
『だから、私が目を覚ました日、聞こえたんです。父が殺されたって』
銀「え?だって…」
土「そんな…馬鹿な話しあるか?」
『な、なに?なんか私、マズいこと言った?』
銀土「だってあそこは防音病室だぜ?」
『・・・・・は?』
名前が入院していた部屋は、中からも外からも、どんな小さな音も通さない特別病室だったのだ。
『え、だってナースさんや先生の声も足音も聞こえてたよ?!』