第8章 華落 3
「潤、今日は明治神宮に行こうか」
教室の帰り、先生が珍しく寄り道を提案した。
タクシーで明治神宮に着くと、桜が満開だった。
「わ…凄いですね…」
「うん。一番今日が見頃かと思って」
桜の咲く参道を二人でゆっくりと歩いた。
「やっぱり桜は美しいですね…」
「ああ…日本人の原風景だろうな…」
先生の頭に桜の花びらがついていた。
とって手のひらに載せると、ふっと吹き飛ばした。
ひらひらと舞いながら、花びらは飛んでいった。
「綺麗…」
「ああ…」
先生は社務所に寄ると、神社の方に挨拶をしていた。
神社の方は奥に引っ込むと、枝を抱えて持ってきた。
先生はその枝を抱えて持ってきた。
「どうされたんですか?その枝」
「いや…剪定したのをちょうど捨てようとしていたところだったんだって」
昨日剪定したばかりだから、これから花をつけるかもしれないともらってきたのだという。
「じゃあ、帰ったら水揚げしますね」
枝を受け取って、抱えた。
家に帰ってお風呂場に枝を広げ、次々に水揚げしていく。
「全部咲くと良いですね…」
「そしたら玄関に飾ろうか」