第69章 モノの子scene12
「和鬼は…大野と…」
「ああ…そうだろうな…」
雅鬼はまだ藁の寝床から起き上がることができないでいた。
俺は雅鬼の世話をしながら、雅鬼に話してきかせていた。
どうしてこうなったのかを。
でも、俺自身もわからないことだらけで…
どう喋ったらいいのか…
「翔鬼、今戻った」
潤鬼が獲物を抱えて戻ってきた。
「潤鬼…」
雅鬼が手を伸ばす。
「どうした?」
歩み寄ると、雅鬼の頬を手のひらで包んだ。
「教えて…和鬼がどうなったか…」
潤鬼は俺の方を振り返った。
「そうだな…話そうか…」
潤鬼が腕を広げて、俺を呼ぶ。
その広い胸に飛び込むと、ふんわりと俺を抱きしめた。
「長い長い話になるぞ…」
【モノの子・終わり】