第2章 夢に舞い、恋に舞う
そんな矢先…
お師匠のお見合いの話が出た。
大先生からのお達しで、どうしても断れない話で…
お師匠はしぶしぶ出かけていった。
後に残された僕は、家中掃除して…
なにか気を紛らわせていないと、泣いてしまいそうだった。
物置も片付けて、天井裏まで掃除した。
それでも時間は全然過ぎなくて。
最後に残しておいたお風呂場を掃除しているとき…
前日、お師匠の背中を流したことを思い出していたら、涙が出てきた。
「うっ…えっ…えっ…」
泣きながら、掃除していた。
もう、何をやっても紛れなかった。
僕は…男…
お師匠も…男…
永遠に結ばれることなんてない…
この先、お師匠も結婚して…
そしたらこの家に奥さんが来て…
たったひとりの内弟子の僕のお仕事は、奥様に取られて…
僕…居場所なくなっちゃう…
日舞もヘタクソだし…
今だに師匠方の顔も覚えられないし…
こんな役立たず…居てもしょうがないじゃないか…
辞めよう…
お師匠が結婚したら…僕は去ろう…
外弟子だっていいじゃないか。
先生と奥様の甘い生活を、こんな間近で見ることなんて…
僕には耐えられない。