第8章 華落 3
家に帰ると、先生は午後の教室の準備をして待ってくれていた。
「潤…?どうした?」
「なんでも…今、準備しますから…」
「ちょっと、待て!」
僕の腕をとって、しっかりと僕を見つめた。
「なにか、あったね?」
「なにもないです…」
「ちゃんと顔を見ろ」
「…ごめんなさい…」
先生は黙って僕の首筋に手を這わせた。
「これは…何?」
そういえばさっき…翔さんがそこに…
「なにがあった?」
「なにも…」
「潤!いいなさい」
「先生っ…!」
堪らず、先生を抱きしめた。
先生の闇…
「先生、好きです…」
「潤…」
「愛しています…」
「俺もだよ…潤…」
「傍に…居させてください…」
「うん…」
ぎゅっと先生は僕を抱きしめてくれた。
「月桂樹の匂い…」
はっとして、先生から身体を離した。
「翔さんと会ってたのか?」
「いいえ…」
「何を話した」
「何も…」
「言え!潤!」
先生が僕の腕を取って引き寄せた。
「僕は…」
「え…?」
「翔さんに…抱かれました」
「…潤…」
「こんな僕を…軽蔑しますか?」