第69章 モノの子scene12
「雅鬼…久しぶり…」
そっと冷たい頬に触れる。
「ごめんね…僕…修羅になれなかった…」
隣に横たわる潤鬼。
「おとうさん…僕…おとうさんの気持ち、わかったよ…」
潤鬼の身体をもちあげ、うつ伏せにする。
背中を開けると…
「あった」
やっぱり潤鬼の背中に、星紋があった。
幽鬼が言ったとおりだった。
でも潤鬼は修羅にはならなかった。
そして、僕も…
「潤鬼…僕達、やっぱり似てるね…」
頬を撫でると、涙が零れた。
おもむろに、自分の角に手を掛けて、折り取った。
雅鬼の身体をうつ伏せにして、着物をずり下げ、背中を晒す。
潤鬼の背中を見ながら、雅鬼の背に星紋を描いた。
ずぶりずぶりと背中に角が刺さる。
頭が痛い。
折れた角の根本から、血が滴り落ちているのがわかる。
一滴、雅鬼の背中に滴った。
傷口に入ると、雅鬼の身体がビクリと震えた。
「ああ…」
苦しそうな声が、雅鬼の口から漏れると、身体に熱が戻ってくる。
星紋が熱を放つ。
「雅鬼…」
描き終わった星紋を撫で擦り、雅鬼の身体を抱え上げた。
「ごめんね…傍に居られなくて…」