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ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第68章 モノの子scene11


大野が満足して、僕の足元で眠ってしまうと、鬼火を点けた。


安らかな顔をして眠っている。


幽鬼になってしまったとしても、大野の優しい心はまだ生きていて。


きっと人間なんか食べたら、大野はモノの身体に心まで喰われる…


そうしたら人間に戻れなくなる…


だから…だめ…


食べちゃだめだよ…


戻してあげるから…人間に…


大野の手が、僕の手を掴んだ。


血まみれの口を拭いながら起き上がってきた。


「大野…」


「和…俺…どうしたんだ…?」


「ん…?大丈夫だよ…」


「血が…ついてる…」


「僕の傷を舐めてくれたんだよ」


「…どこか怪我してるのか…」


「大野が舐めてくれたから、治った」


「嘘つけ。見せてみろ」


ぐいっと腕をひっぱられた。


そこにはまだ、塞がりきってない傷があった。


「こんなひどい傷…いつ…」


「大丈夫だよ。すぐ塞がるから」


そう言ったのに、大野は自分の黒い着物を割いて、僕の腕に巻いてくれた。


「しばらく、動かすなよ」


「…うん…わかった…」


そっと大野が抱き寄せてくれる。


「和…俺、モノになったんだよな?」


「…わからない…」


「…そっか…」

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