第68章 モノの子scene11
「和…会いたかった…」
冷たい腕で僕を抱きしめた。
「あ…大野…ごめん…ごめんね…」
「いいよ…こうやって和と会えたから…」
「人間に…戻してあげるから…」
「和…」
「方法を探すから…」
「いいから…な?」
大野はふらふらと立ち上がると、僕に木の実を差し出した。
「こんなものしかないけど、食え」
こんな時に…
こんな時にまで僕の心配してる…
「和…食べろ?」
「うん…僕、モノだから…そんなにお腹減らないんだ…」
「そっか…俺もそうなんだ」
そう言って悲しく微笑むと、僕の金色の髪を手にとった。
「綺麗だ…」
そっとその髪を、唇に当てた。
「大野っ…」
この三月、考えても考えてもわからなかった。
なんでこんなに大野を求めるのか。
大野が恋しいのか。
でも…今、はっきりとわかった。
僕は…大野のことが…
大野に抱きつくと、身体が震えた。
それは大野の身体が冷たかったからじゃない。
大野に触れられた悦びだった。
「大野…抱いて…?」
そういうと、大野は微笑んで。
そっと僕を横たえた。