第68章 モノの子scene11
ピチャン…
水の落ちる音…
目を開けたら、真っ暗で。
見覚えのある場所…
ここは…
モノの村の地下…
地下の湖の辺りだった。
「なんで…?」
翔鬼に抱かれそうになっていた、あの瞬間。
僕の身体を奪うようにさらっていったあの影…
ギクリとした。
背後に気配を感じた。
振り向くと、そこには青い光が二つ。
「青い…目…」
その目を纏っているのは黒い影。
「お前…幽鬼…」
鳥肌が立つとともに、身体に力が入った。
黄色の鬼火が空に浮かんだ。
その炎に照らされたのは、黒い布をまとったモノの姿だった。
「どういうつもりだ…」
幽鬼はなにも言わず、そっと僕に近づいてくる。
黒い布の隙間から、手を伸ばしてくる。
冷たい…
その手が頬に触れた瞬間…
なにかが頭で弾けて…
黒い布を剥ぎとった。
「大野っ…」
悲しげな表情で、青い瞳の大野が立っていた。
「和…探した…」
「大野…どうして…?」
「わからない…気がついたらこうなってた…」
血だ…
僕の飲ませた血…
人間に飲ませると、幽鬼になるんだ…