第67章 モノの子scene10
「いい…お前を抱きたい…」
「いやっ…翔鬼っ…」
振り払おうと思えばできるはずなのに…
和鬼の腕は俺を振り払わない。
着物を剥がすと肩を剥き出しにする。
後ろからうなじに舌を這わせると動きが止まった。
「あ…」
「和鬼…なんで修羅にならない…」
「わから…あっ…やだっ…」
裾を割って、和鬼の前に手を伸ばすと、いきなり掴んだ。
「ここを…大野に触らせたの…?」
「えっ…」
「ねぇ…触らせたの…?」
「しっ…知らないっ…」
否定はしない…
また、胸に痛みが走った。
「和鬼…」
耳元で囁くと、和鬼の身体が震えた。
「気持ちいいの…?和鬼…」
「あ…や…だ…やめて…翔鬼…」
「なんで…?俺のこと…すきじゃないの…?」
「す…き…?」
「そう…好きじゃないの…?」
「あ…待って…お願い…」
「待てない…俺は、和鬼が好きなんだ…」
「翔鬼っ…」
子鬼たちが心配そうにこちらを伺っている。
「散れっ…お前たちっ…」
そう叫ぶと、蜘蛛の子を散らすようにどこかへ消えた。
「和鬼…すきだ…」
繰り返し耳元でささやきながら、褥へ身体を横たえた。