第67章 モノの子scene10
乱暴に着物を剥ぎ取ると、和鬼の金色の目から涙がこぼれ落ちた。
「どうして…?修羅じゃないのに抱くの…?」
「和鬼が好きだからだよ…」
「好きだから抱くの…?」
「そうだよ…全部、俺のものにしたいからだよ…」
身体から力が溢れてくる。
赤い閃光が、目の前を走ったかと思うと俺の姿が変わった。
「あ…翔鬼…怖い…」
赤い髪が、和鬼の金色の髪に覆いかぶさる。
「大丈夫だ…」
和鬼の涙が光る頬に手を伸ばした。
その瞬間。
黒い影が横切った。
驚いて身体を反転させた。
突風が過ぎ去って行くと、和鬼の身体は消えていた。
「和鬼…?」
どこを探してもいなかった。
洞窟の外を見ても、どこにも居なかった。
「和鬼ーーーーーーっ!」
【つづく】