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ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第67章 モノの子scene10


その冷たさに身が縮む。


最後の黒い膜を切り裂くと、そこには光の塊があった。


「え…?」


まさか、こんな黒い影の中心にこんな光があるとは思わなくて…


思わず腕で目を覆った。


『つかまえた…』


また声が聞こえた。


光は僕をそっと包み込んだ。


「な…に…?」


みるみる、僕の髪が元の黒髪に戻る。


人間の姿に戻った。


「え…?」


『おいで…』


光が完全に僕を覆うと、温かい腕に包まれた。


覚えがあった。


その腕…その温かさ…


「お…おの…」


「和…迎えに来たよ…」


「大野っ…」


大野はにっこり笑って、優しく僕を抱きしめた。


「行こう…和…」


「え…?どこへ…」


その瞬間、大野の顔が歪んで絹を引き裂くような声を上げながら、霧散した。


「大野ぉっ…」


突然闇の中に放り出されて、身体が宙に浮いた。


「和鬼っ…!」


翔鬼が僕を受け止めた。


「和鬼っ…大丈夫かっ…!?」


「翔鬼…どうして…」


「柊の枝で刺したら、ああなった…」


「ああ…」


「和鬼…どうした…?」


黒い闇は、もうどこにも居なくなっていた。


僕の姿も、大人のモノの姿に戻っていた。


「あの影は…大野だった…」


「え…?」
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