第66章 モノの子scene9
「俺を喰え…」
大野の手が、僕の首を締めた。
「あ…ぐっ…やめ…」
「早くしないと…縊り殺す…」
「ぐうっ…」
「早くしろっ…和っ…」
気がついたら、僕の身体は…
大人のモノになってた。
大野が僕の足元に転がっていた。
慌てて抱き起こしたけど、首から血を流して真っ青になっていた。
何も考えず、腕を出して噛み付いた。
滴る血を大野の口に垂らした。
人間にこの血を飲ませたら、どうなるかなんてわからなかった。
でも、そうせずには居られなかった。
大野は目を開けて、僕をみた。
突然、もがき苦しみ始めて大野は床を這った。
「大野っ…」
抱き寄せた大野は、僕の目をみると微笑んで…
そのまま目を閉じた。
それきり、動かなかった。
それからどうしたのかは、よく覚えていない。
気がついたら翔鬼を救い出して、空に飛び上がってた。
飛び上がっている最中、あの痛みがきて。
僕は、修羅になった。
修羅のままで居たかった…
修羅のままで居たら…
大野のことなんか考えずに済んだのに