• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第66章 モノの子scene9


浮かぶ身体をそのまま横たえて、泉に浮かんでいた。


その時、黒い影が降ってきた。


何も言わず、突然僕の上に降りかかってきた影を必死で振り払った。


口から息が漏れる。


大きな泡が身体に纏う。


それでも影は身体から離れない。


苦しいっ…


影を掴んで振り払って水面に上がる。


その足首をまた掴まれて引きずり込まれる。


水辺の木を掴んで、力任せに浮かび上がる。


「誰だっ!」


影は静かに水面を漂っている。


朝日にあたっているのに。


黒い影…


目で追っていると、影は泉をそっと滑って陸に上がる。


ゆらりと立ちあがった影は、人のカタチになった。


目が合ったと思った。


影は瞬間、飛び上がって消えた。


「待てっ…」


追いかけたけど、匂いも残っていなかった。


「誰だ…あれ…」


大人のモノの僕よりも力が強かった。


それに…日の光の中であんなに動いてるなんて…


ぞくりと背中に這い上がってくるものがあった。


あの目…


どこかで見た…


思い出せない…


着物を取ると、体に纏って飛び上がった。


翔鬼の待つ洞窟へ戻ると、やっと息をついた。





あの影…




懐かしい…




【つづく】
/ 771ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp