• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第66章 モノの子scene9


「お前…」


大野が刀に手を掛けた。


憎しみに満ちた目をしていた。


「いいよ…殺しなよ…」


「え…?」


本当に、大野に殺されていいと思った。


「潤鬼や雅鬼のところにいける…」


目を閉じた。


この屋敷があったところは、僕にとって天国のようだった。


皆が居て…


皆で笑い合って暮らしてた。


潤鬼が優しく見守っていてくれた。


雅鬼がいろんなこと教えてくれた。


翔鬼がいつも僕の頭をなでてくれた。


ここで死ねるなら…


大野に殺されるなら…


「潤鬼…だと…?お前…潤鬼のなんだ…」


「潤鬼は…僕のおとうさんだよ…」


大野の目が大きく見開かれた。


「お前が…宮の…」


「宮…?」


「俺の妹だ…お前が妹の子なのか…」


「大野…」


大野の手が刀を落とした。


「なんで…?殺せよ…」


「いやだ…」


「大野っ…殺してぇっ…」


「だめだっ…和っ…」


大野は僕を引き寄せて抱きしめた。


「俺を…喰え…」


「え…?」


「お前を殺すことなんてできない…」


「大野っ…」


「頼むっ…和っ…」


痛いほど抱きしめられて、突き放された。

/ 771ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp