第66章 モノの子scene9
やがて朝日が昇る頃、また私たちは褥についた。
翔鬼が行ってしまわないよう、ぎゅっと着物を掴んだ。
「修羅…」
そっと翔鬼が身体を包み込んでくれる。
「どこにも行かないから…」
「ねぇ…翔鬼…」
「ん…?」
「なんで子ができないの…?」
「…わからない…」
「この姿になって三月経つのに…なんで…?」
「さぁ…わからない…」
「早くしないと…」
「え…?」
「早く…」
「…なんでそんなに焦ってる…?」
「わからない…でも早くしないと…」
「修羅…焦るな…きっとできるから…」
「翔鬼…」
「今は、眠ろう…」
翔鬼の腕に抱かれながら、焦燥感に駆られた。
早くモノを増やさないと…
私の仕事…
私の存在理由…
それがなくなれば。
修羅の身体が小刻みに震え始めた。
朝になると、始まる。
「修羅…?」
呼びかけても、その白い唇は開かない。
銀色の髪を身体に纏いつけて、俺の腕に絡みつく。
「うっ…あああっ…」
やっと唇が開いたかと思うと、その小さな身体を撓らる。
黄色い鬼火が浮かんだ。
「和鬼…」
そう呼びかけると、その金色の瞳は、俺を見上げた。