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ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第64章 モノの子scene7


「だって…働いてなきゃ…タダ飯なんて食えないよ…」


「いいんだよ…和はそんなこと気にしなくて…」


「もう…大野はすぐ僕を甘やかすんだから…」


くすっと大野が笑う。


僕も、なんだか笑ってしまう。


「お前、足…」


「あ…」


さっき地下に行ってたから、ドロドロだった。


「お前、蔵の方まで灯り番してきたの?」


「うん」


「夜目が少し利くからって、そんなとこまで行かなくていいから…」


大野は手を叩くと、下女を呼んだ。


暫くすると、足洗い桶に温かいお湯が張られて運ばれてきた。


「洗ってやるよ」


にこにこしながら大野が僕の足を掴んだ。


「いっ…いいって!自分で洗うからっ…」


「まあまあ。働いたんだから、甘やかしてやるよ」


温かい湯の中で、大野の手が僕の足を擦る。


暫くすると、身体がぽかぽか暖かくなってきた。


その頃には大野の手は、擦るんじゃなくて、僕の足を揉んでた。


「大野…?」


「いいよ。気持ちいいだろ?」


「うん…」


優しく、優しく僕の足を労ってくれた。


「気持ち、いい…」


なんでこの男は…


こんなに暖かいんだろう…


こんなに…優しいんだろう…


仇なのに…


潤鬼の…雅鬼の…


皆の…


掴まれた足が、熱い。
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