第63章 モノの子scene6
大野に手を引かれて、大路を歩いた。
残照は消え、闇が支配する。
闇はぼくたちの昼。
でも、ぼくは人間並に闇夜が見えない。
大野とふたりでそろそろと歩を進めた。
「お前がもたもたしてるから、暗くなっちまったじゃねーか…」
なんかブツブツ言ってる。
「とりあえず、今日は俺の家に泊まれ。明日からのことは俺が考えてやるよ」
声だけを頼りに、後についていくと見慣れた景色。
やっぱりこの男、大野だ。
ぼくたちの村の跡に、大野の屋敷が建っていた。
「帰ったぞ。この小僧に湯をつかってやれ」
「なっ…勝手なこというなっ!」
「いいから…お前、すごい匂いだぞ?」
「え…?」
そういえば、山にあがってから水浴びしかしてない…
そんなに臭かった…?
くんくんと匂いを嗅いでいたら、大野が爆笑した。
…くそ…ハメやがった…
「俺の家はな、湯桶があるんだぞ!いいだろ!」
そうはしゃいでいた。
…それを自慢したかっただけじゃないのか…この男…
下女に手を引かれて、湯桶のある部屋まで連れていかれた。
本当にあった…
大きな湯桶。