第61章 モノの子scene4
「和鬼っだめっ!」
「だめっだめっ!」
「血が出てる!だめっ!」
子鬼たちがすがりついてきても、やめられなくて。
「雅鬼…どこ?」
起き上がると、翔鬼の向こうに横たわる雅鬼へ駆け寄った。
雅鬼の口をこじ開けて、また血を零した。
「雅鬼っ…飲んで…飲んでよぉっ…」
身体を揺さぶっても、雅鬼は目を閉じてて…
起きなくて…
淡い緑の髪が、見慣れなくて。
「起きてよぉっ…」
雅紀、起きない…
「かず…き」
顔を上げると、翔鬼がこちらに手を伸ばしていた。
「俺の血…雅鬼に…」
「翔鬼っ…」
「早く…俺の血…」
「だめっ…翔鬼が死んじゃうっ…」
「和鬼…」
翔鬼が切ない目でぼくを見る。
やめて…そんな目でみないで…
身体が熱くなる。
背中が痛い。
星紋が疼く。
「雅鬼は…俺にたくさん血をくれた…だから…」
「翔鬼…」
翔鬼が身体を引きずって、雅鬼の元へくる。
「翔鬼…だめだよ…」
翔鬼が落ちていた短刀を掴んだ。
「だめ…」
翔鬼の手を掴んだ。
「翔鬼…やめて」
翔鬼の目をじっと見つめた。
翔鬼の手がゆっくりと落ちた。
気を失って地面に倒れた。
雅鬼…ごめん…