第61章 モノの子scene4
気がついたら、寝かされていた。
子鬼たちが心配そうに顔を覗き込んでいる。
「和鬼おきた!」
「おきた!おきた!」
子鬼たちは嬉しそうに、ぼくたちのまわりを飛び跳ねた。
隣をみたら、翔鬼が真っ青な顔をして眠っていた。
よかった…生きてる…
「子鬼…雅鬼は…?」
ぴたっと動きが止まった。
「雅鬼…」
ぼくの鬼の血は薄くて…
だから…
「雅鬼、うごかない」
子鬼がぼくの胸によじ登ってくる。
「そう…」
「雅鬼、ずっと起きない」
「そっか…」
涙が溢れてきた。
やっぱりぼくは役立たずだ。
肝心なときに、大事な人を救えない…
あいのこじゃなかったら…
雅鬼を救えていたかもしれないのに。
次々と涙が溢れる。
止らない。
翔鬼とふたりきりになってしまった。
モノの村は…滅びたんだ…
唇を噛みしめる。
ぎりぎりと噛みきって、血を吐き捨てた。
「和鬼っ…血が出てるっ…」
子鬼たちが大騒ぎしても、ぼくは自分を傷つけずにはいられなかった。
「ああああああ…」
右腕を覆っていた布を引き裂いて、ふさがっていた傷を抉った。
また、血が滴った。