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ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第61章 モノの子scene4


雅鬼…動かない…


苦手なはずの朝日が、ありがたかった。


現実を見ないで済む。


子鬼たちが洞窟から口々に何か言っているけど、聞き取れない。


雅鬼の身体を抱えたまま、ぼくは動けなかった。


どんどん奪われていく体温。


冷たくなっていく。


「雅…鬼…?」


呼びかけても、その瞳は開くことはなく。


「まさ…?」


硬く閉じられた口。


「いや…雅鬼…いかないで…?」


いつもなら、ぼくのお願い聞いてくれる。


しょうがないなって笑いながら、最後には聞いてくれる。


優しく微笑んで、ぼくの頭をなでてくれる。


「雅鬼…ぼくをおいて行かないで…」


雅鬼、動かない…


ゆっくりと雅紀の腰に刺さる短刀を引き抜いた。


自分の腕に当てると、ゆっくりと刃を引いた。


滴る鮮血。


雅鬼の口に垂らした。


「雅鬼…起きて…?」


鋭い痛みが腕に走る。


こらえながら、必死に腕を雅鬼の口の上に持っていく。


その腕を後ろから掴まれた。


「翔鬼っ…」


がぶりと血の滴る腕を噛まれた。


「あうっ…」


焼けるような痛み。


じゅるっと血を吸い上げる音。


「翔鬼っ…待ってっ…」


どんどん意識が遠のいていく。

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