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ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第60章 モノの子scene3


「雅鬼っ…ぼくもっ…」


「だめだっ…俺ひとりでいく…」


「でもっ…」


「お前が…お前だけは無事で…」


「雅鬼…いや…」


「和鬼…」


「一人にしないで…」


「和…」


「雅鬼までいなくなったら…ぼくっ…」


雅鬼の着物の裾を掴んだ。


「ぼくっ…本当に一人になっちゃう…」


「和鬼…」


「いかないで…お願い…」


涙がぽろぽろと零れた。


雅鬼がここからいなくなるのが、とてつもなく怖かった。


潤鬼のように冷たくなったら


翔鬼のように血を流したら


そう思ったら、立ち上がれないくらいの恐怖がぼくを襲った。


震える。


止らない…


「和鬼…泣くな…修羅だろ…?お前…」


「ちっ…違うもんっ…ぼくなんて…」


ぼくは。


こんなにも役立たずで…


力もなくて…


「ぼくなんってぇっ…」


バシンと頬を叩かれた。


「いいかげんにしろよ」


「雅鬼…」


雅鬼の目にも涙が溜まってた。


「翔鬼は生きてる。だから俺、助けに行く。今の俺にできること、それしかない」


「雅鬼…」


「お前は一度、修羅になったんだ。だからきっと立派な修羅になる。だから…強くなれ」


そういうと、雅鬼は洞窟を飛び出していった。


「雅鬼っ…!」
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