第7章 華落 2
初めて潤に会った時…
俺の世界は変わった。
キラキラする眼差しを、まっすぐに俺に向けてきた。
そして、こう言ったんだ。
「華道って女性がやると思ってたけど…僕、先生のようになりたいです!」
まだ、ブレザーを着た高校生。
ちょうどあの頃の俺と重なった。
「俺みたいになりたいの…?」
「はいっ!かっこいいです!僕、憧れます!」
邪気のない笑顔。
なんの裏もない言葉…
こいつなら…俺を戻してくれるかもしれない。
光りあふれる場所へ。
そして…本当の自分に。
「いいよ…じゃあ、俺の弟子になる?」
そう言ってやったら、俺がみたどの笑顔よりも上等の笑顔をみせた。
「はいっ…先生についていきます!」
それから、何年も潤と過ごした。
もう潤の居ない生活なんて考えられなかった。
潤は俺の全てで…
そして俺は籠の中に、閉じ込めてるつもりになってた。
でも…潤は、知らないうちに成長してて…
冬の花展の花盛は、凄い出来だった。
潤の繊細な、女性的な才能は、俺には真似できないもので。
線の細い花盛なのに、しっかりと存在を主張していて…