第7章 華落 2
お金を払って喫茶店を出ると、自分も傘を持っていないことに気づいた。
どうする…走るか…
そう思っていると、向かいの建物から駆けてくる人がいた。
「潤…」
「先生…お迎えに来ました」
「お前…待っててくれたの…?」
「はい…お邪魔しちゃいけないと思って…向かいで待っていました」
頬を染めながら、傘を差し出す。
「いい…お前の傘に入ってく…」
「え…?」
「いいだろ…くっつけば入れるだろ」
「でも…先生…」
「いいから」
俺は潤の差し出した傘を手に持ち、潤の傘へ入った。
潤の腰に手を回し、身体を密着させると、潤が焦りだす。
「や、先生…あのっ…」
「いいから…いこう。潤…」
「も、もう…生徒さんに見られたらどうするんですか…」
「言わせとけよ…だって、潤は俺の恋人だろ?」
「こっ…」
言ったまま、潤はフリーズしてしまう。
その顔がおかしくて、笑えた。
「な、何笑ってるんですかっ!」
真っ赤な顔をして怒るから、余計おかしくて…
「本当のことだろ…何照れてるんだよ…さ、行くぞ」
腰をぐいっと引いた。