第58章 モノの子scene1
「潤鬼が苦労してあなたを作ったのです。そして、あなたは星を背負って生まれてきた…」
ぼくの背中を愛おしそうに翔鬼は撫でた。
「この星は修羅になるモノにしか出ない星紋…和鬼…あなたは運命の子なのです…」
「修羅になるとどうなるの…?」
翔鬼はちょっと陰のある表情をした。
「修羅は…女です…」
「え…?」
「和鬼は…モノの女王になるのです」
「うそだ…」
「修羅になったら、モノを産める。モノが増えたら人間に対抗できる。モノの国を作るのです。和鬼はモノの女王になるのです」
翔鬼が、俺に覆いかぶさる。
こんなのふざけてしょっちゅうやってるから、なんともないはずなのに…
翔鬼の表情が真剣で。
「和鬼…修羅になったら、私を選んで下さい…」
「え…」
「私と…一緒に…」
翔鬼が切ない顔をした。
「和鬼…」
翔鬼の顔が近づいてくる。
「い…いや…やめて…」
「和鬼…ずっと…」
翔鬼が何をいいたいのかわからない。
やめて…
ぼくになにをさせたいの…?
「和鬼が好きだ…」
翔鬼が、ぼくをぎゅっと抱きしめた。
胸がドキドキしてるのが伝わってくる。
「翔鬼…」
「…人間のにおいがする…」
「え…?」
「和鬼。隠れていなさい」
翔鬼が部屋を出て行った。
ぼくは翔鬼の残していった言葉に、夢のような心地でいた。
ぼくを…好き…?