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ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第58章 モノの子scene1


「和鬼…あなたは、修羅になるために生まれたのです…」


初めて聞く話だった。


モノは、親なんていない。


いつからか、どこからか湧き水のように存在してる。


暗闇から生まれたモノもいる。


人間はそんなぼくたちを怖がってる。


こわいから。


そして…人間を喰らうから。


人間を食べるのは、必要があることで…


人間だって、野に居る兎や雉を食べるのに…


それと同じことなのに…


なんでぼくたちだけ、狩られなきゃいけないの…?


こわいよ。


「だから和鬼…あなたは生まれたのです」


ぼくたちモノは男しか居ない。


だから、人間みたいに生まれてくるわけじゃない。


いつのまにか、居るものだから。


「ぼくは…作られたの?」


翔鬼は微笑んだ。


「そうですよ。潤鬼があなたを産んだのですよ」


「…それは人間で言うおとうさんになるの?」


「そうですよ。潤鬼はあなたのおとうさんになります」


「…じゃあおかあさんは…?」


「…おかあさんは…」


翔鬼は黙ってしまう。


本当は知ってる。


ぼくのおかあさんは、人間。


潤鬼は、ぼくを産んだおかあさんを食べた。


だから…


だれもぼくに本当のことは教えてくれなかった。

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