第6章 華落
意識が戻った時、僕は一人で居た。
乱れていた着物は、ちゃんと直されていて。
まるであんなことがあったのが、嘘のようで。
身体を動かすと、後ろに痛みが走った。
鋭い痛みに、やはりあれは夢じゃなかったと気付かされる。
身体にかかった布団をどけると、起き上がった。
ふらつく身体を両手で抱えるようにして、廊下に出る。
「あ…」
腿に流れる、残滓…
思わず目を瞑り、その流れを感じる。
先生…
あんな抱き方、されたことがなかった。
ただ、自分の欲だけ吐き出すような…あんな…
どうして…?
なぜ言ってくれないのですか…
僕じゃ、だめなんですか…?
言えないほど、あなたの闇は深いのですか…?
生徒として、僕のこと認めてくれたのに…
どうして…
僕はまだ、あなたになれないのですか…?
あなたの一部分に…
痛む身体を引きずって、僕はとにかく歩いた。
流れ出る先生を、そのままに…
先生…
僕を…抱いて…?
涙が一筋、頬を流れ落ちた。