第47章 ラズベリーscene2.5
ニノの顎を持ち上げると、吸い込まれるように唇を重ねた。
音が出ないように慎重にキスを重ねた。
気持ちよくて死にそうだった。
あんまり気持ちいいから思わず舌を入れた。
でもやっぱり抵抗がなくて。
ニノの舌を捉えると、ねっとりと絡めた。
しばらくするとニノの舌も動き出した。
ニノのキスはとても扇情的で。
頭の芯がしびれてくる。
俺たちの唇からも小さく水音がでた。
背徳感がスパイスになって、何倍も気持ちいい。
俺達は夢中でキスを貪った。
ガタンっと大きな音がした。
そこで俺達は正気に返った。
唇を離すと、銀色の糸が垂れた。
お互いになにをやってしまったかわかって、どうしていいかわからなくなる。
俺はニノの手をひいて個室を出た。
トイレのドアを慎重に開けて外に滑り出る。
「…コーヒーでも飲んでから楽屋もどろう」
歩きながら言った。
まだニノの手を引いたままだった。
「うん…」
俺達は自販機でコーヒーを買って飲んだ。
「…なかったことにしよう…」
「うん…」
ふたりで遠くを見つめながら言った。
コレは気の迷いだ。
あんなん聞かされたら、誰だっておかしくなるって。
松にぃ。松潤。
これは浮気じゃないから。
事故だから。
それからコーヒーを飲み干して、楽屋に戻った。
「おまたせー」
つとめてなんでもない風に装った。
「おっ。遅かったな。どうだった?」
「うん。あれなら大丈夫じゃないかな?」
ニノがぎこちなく答える。
あほ、そんなんじゃバレるぞ。
「そっか。殴られた甲斐があったな」
松潤はいい笑顔で言った。
ほんと、スマン…
松潤はメモを取り出して何か書きなぐった。
「なにそれ?」
ニノが覗きこむ。
「末永くお幸せにって書いた」
ふふっと松潤が微笑む。
ほんと、ごめん…
「さっきマネージャーが車用意できたって言ってきたから、先かえろ?」
「うん」
俺らはぎくしゃくと目をあわせた。