第40章 哀婉scene4
そこには、たまたま入った。
歩いてたら、水たまりにハマって靴がどろどろになった。
前日まで、土砂降りだった。
まだ道路にはみずたまりがいくつもあった。
気をつけて歩いていたつもりだったのに、その建物の前にきたら急にハマったのだ。
困っていると、蝶ネクタイの男が出てきて雑巾を貸してくれた。
「ありがと」
「あんた、金あるなら遊んでく?」
カタコトの日本語で話しかけてくる。
「ああ、じゃあ世話になったしアンタのとこにしようか」
雑巾を渡すと、蝶ネクタイはウインクして中に導いた。
「どんなのがいい?」
「あんたのオススメでいいよ」
「ふうん…?」
蝶ネクタイは俺を眺め渡すと、にやりと笑った。
「ぴったりなのがいる」
「え?ほんとに?」
蝶ネクタイは廊下の一番奥まで歩く。
「ここ、あけてゴラン」
ドアノブを捻る。
中をそっと覗くと、キセルを持ってソファに座って足を組む男がいた。
清服を着ている。
でも髪は短い。
パタンと扉を閉めると、蝶ネクタイを見た。
「ここ…そういうとこ?」
「ん?女もいるヨ?」
「じゃ、そっちにしてくれよ」
「お客さん、ラッキーよ」
耳慣れない、外来語をしゃべる。
「なにが」
「あの男、ここの人気ナンバーワン」