第39章 哀婉scene3
「ねえ…なんか飲む?」
「いらない」
俺は智の手を取って、ベッドへ寝かせた。
「もう、するの?」
「しないの?これがお前の商売だろ?」
「ふふ…いいよ。きて?」
娼婦…
そう、その仕草は娼婦のそれで。
寝転がりながら、俺に向かって手を広げて、顔を傾げた。
「ちょうだい…」
声が、濡れている。
女の股のように、しっとりと湿った声。
本能の赴くまま、俺は智の唇に吸い寄せられた。
真っ赤な、南国の果実のような唇。
吸い上げると、甘い。
「智…なにか食べてる…?」
「ん…?金平糖」
口を開けると、舌の上に金平糖を載せていた。
こんなところじゃ手に入れるのも難しい高級品なのに…
「どうしたんだ?これ…」
舌の上の金平糖を、舐めとった。
口に含むと、智の味がした。
「…船乗りのお客に貰ったんだ」
そういうと、俺の唇に食いついて金平糖を取り返す。
「ふふ…潤にはあげないよ?」
「食べさせろよ…」
智の首の後ろを持って、唇をこじ開ける。
金平糖を探しだして、再び奪い取る。
何度も繰り返してるうちに、本気になってきた。
男とこんなこと、なんにも考えずにしてる…
どうしたんだろ…俺。