第34章 宮城の夜 5日目
翔さんがガッツポーズをしながらこちらにきた。
大野さんはちょきを見たまま、しょんぼりと足元に来て靴下を脱がせた。
翔さんは俺の顔を相葉さん越しに覗きこんだ。
「ごめんね…パンツまでびしょびしょだから脱がせるね?着替えは俺の使うから」
初めてまともに話しかけてもらえて、少し安心する。
こくりと頷くと、翔さんは大野さんと潤をシッシと退けて俺のパンツを脱がせた。
すかさず相葉さんが濡れタオルで拭く。
恥ずかしかった…
でも俺は本当に上手く身体が動かせなくて。
されるがままになってた。
濡れた衣服が身体から離れると、少し爽快感がきた。
雅紀に濡れタオルで全身を拭かれて、乾いた衣服をきたら生き返る思いだった。
氷のうが気持ちいい。
すっかり俺に服を着せ終えると、今度は誰が俺を運ぶかでじゃんけんになった。
まてまて…
車椅子あっただろ。
あれでいいって。
でも声が出ないから、誰にも聞いてもらえない。
大野さんと潤はじゃんけんにすぐ負けた。
翔さんと相葉さんが残ると、二人は目を合わせて笑いあった。
どちらが勝者って決めないでじゃんけんは終わったようだ。