第33章 宮城の夜 4日目
二宮が自分の中を苦労して洗い終わってバスルームを出てきた。
ビショビショのバスタオルで、また身体を拭くのが気持ち悪くて顔を顰めている。
もう一枚バスタオルはあるのだが、明日の朝、もう一回シャワーを浴びたいから使うのは我慢したのだ。
バスローブを羽織って、また部屋へ出てきた。
そのころ、第3の使者は二宮の部屋の前に立っていた。
二宮がテレビをつけようとリモコンを手に取ると、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
その音が微かだったので、二宮は思わずドアまで近づく。
音を聞いていると、やっぱりノックの音がする。
ドアスコープを覗くと、大野が立っていた。
二宮は複雑な顔をしたけど、とりあえずドアを開けた。
「どうしたの?大野さん」
するりと大野がドアから部屋へ入ってきた。
「今、潤きてたでしょ?」
「え?」
「潤の香水の匂いがする」
驚くことに大野は、鼻が悪いくせに、松本の香水の匂いだけは嗅ぎ分けることができた。
「え…まあ。きてたよ?」
「寝たの?」
「えっ!?」
「さっき、部屋行ったけどいなかったから…」
そう言って大野は微笑んだ。