第31章 宮城の夜 3日目その1
「カズヤっ…」
「雅紀っ…大好きっ…」
「愛してるっていえよ…」
「え…」
「愛してるって言えよっ!」
腰を打ちつけた。
一回もカズヤから愛って言葉を聞いたことがなかった。
今だけは、言って欲しかった。
カズヤが黙りこむ。
「ふぇっ…」
カズヤが泣きだした。
「あ…愛ってなにか…わからない…」
「カズヤ…」
「雅紀…あ、愛ってなに?」
「カズヤ…泣くなよ…」
「愛って、ど、どういうものなの?」
カズヤが激しく泣く。
「俺、からっぽなの…わからないの…愛って…愛ってどういうもの?温かいの?冷たいの?」
「あたたかいよ…?」
「じゃあコレが愛なの?今、ココが温かいよ?」
カズヤが心臓に手を置く。
「そうだよ…それが愛だよ…」
「抱いて…雅紀…抱きしめて…」
俺はぎゅっとカズヤを抱いた。
「雅紀…これが愛なの…?抱きしめられると、心臓がぎゅっとあったかくなるよ?」
「そうだよ…」
眼の奥が熱くなる。
この子は…
この子はどれだけの闇を抱えてるんだ。
愛をあげたい。
もっと伝えたい。
どうやったら、愛してるって伝わるんだろう。
愛ってものを教えてやれるんだろう。