第26章 鈴~リン~
次の期末こそは、と思って一生懸命勉強した。
でも結局2位で。
東大の壁は厚かった。
3学期に入って、冬休みの成果を存分に出してやろうと意気込んで学校に行った。
始業式が終わると、クラスの話題はカズヤ先輩のことだった。
友達と顔を見合わせて、耳を傾けていると先輩は退学するということだった。
イギリスに行ってしまう。
そう聞いた。
とうとう先輩と名前を並べることはできなかった。
私はぼんやりとそう思った。
どこか遠い世界の出来事に聞こえた。
友達が心配そうに私を見ている。
なんでもない表情を作るのが大変だった。
放課後、ぼんやりと席に座っていた。
教科書は広げていたけど、ぜんぜん見ていなかった。
窓の外を眺めていたけど、何も見えなかった。
「こら、またさぼってる」
カズヤ先輩がきた。
でも私は顔を見れなかった。
「どうした?」
「いえ…」
何を話せばいいかわからなかった。
「…イギリス、行くんですか?」
「もう一年まで話まわってるの?」
そう言って笑った。
柴犬みたいな顔で。
「私…先輩と名前並べるのが夢でした…」
「え?」
「テストの結果、貼りだされるでしょ…あれで一位とったら先輩と名前並ぶから」
「ああ…」
「残念です」
なんだか正直に話してしまった。