第26章 鈴~リン~
10月に入って、中間テストの準備をした。
範囲を区切って、そこを集中しておさらいした。
放課後はおさらいの時間に充てていた。
教科書をめくっていると、教室には誰も居なくなった。
しばらく私は窓の外を眺めた。
1学期から変わらず窓際の席にいる。
おかげで中途半端な時間に登校してくるカズヤ先輩をよく見ることができた。
ときには寝ぐせをつけたまま登校してきたり。
眠そうな足取りでコケそうになってたり。
それをみるだけで幸せだった。
カズヤ先輩を先生たちが好きにさせているのは、やっぱりゲイだからだって聞いた。
”精神的に問題を抱えた生徒”
そんな風に先生たちは見ている。
バカな大人たちだと思った。
先輩ほど健全な精神を持った人は居ないと思った。
私みたいにぼんやりと生きてるやつが沢山いるのに。
先輩は将来のことまできちんと考えている。
大人はバカだ。
窓の外を睨んでいると、頭を叩かれた。
「こら、さぼってんじゃねーぞ」
カズヤ先輩だった。
「どっ…どうしたんですか!?」
「どうしたって…テスト前だから勉強見てやるよ」