第26章 鈴~リン~
その日を境に、私は変わった。
猛烈に勉強をした。
カズヤ先輩に追いつきたくて。
天文学者がどんなことをする仕事なのかわからなかったけど、地学の先生に質問攻めをしてようやく理解した。
理解すると興味が出てきた。
親に頼んで、星座図を買った。
毎晩、勉強の合間にそれを眺めるのが習慣になった。
叶わない恋。
だけどいい。
カズヤ先輩に並びたい。
同じ場所を見ていたい。
そう思った。
1学期の期末テストは、間に合わなかった。
順位を5個上げただけだった。
悔しかった。
高校に入って初めての夏休みを、私は勉強に費やした。
私の変化に親は驚いたけど、喜んだ。
塾に入れてもらえることになった。
そこで集中補習を受けた。
夏休み明けのテストは手応えがあった。
順位は1個上がった。
この調子で行けば、2学期末はカズヤ先輩に並べるかもしれないと思った。
9月はずっと放課後は教室で勉強して、夜は塾に行くという生活を送った。
カズヤ先輩はあれから一回も現れなかった。
でも、あの思い出だけで充分だった。