第26章 鈴~リン~
「ふーん…偉いな。綺麗にノート作ってる」
「私、不器用だから…ノート綺麗に作らないとわからなくなっちゃって…」
褒められて、なんだかわからない言い訳をした。
きらきら夕日に、カズヤ先輩の金髪が光る。
「頑張れよ」
「ありがとうございます」
先輩は立ちあがった。
「あっ、あのっ…」
「ん?」
「先輩は、なんでそんなに勉強ができるんですか?」
「そりゃ…勉強してるから…」
「でも学校に来てないですよね?」
「え?そうだっけ?」
カズヤ先輩はトボけた。
「俺ね、将来なりたい職業があるんだ」
「な、なんですか?それは」
「天文学者」
「天文学者!」
「そう。星をね、ずっと観察するの…そうだな。新しい星みつけるのもいいな…」
きらきらした目をしてカズヤ先輩は語った。
「ホントは宇宙行きたいけどね。ゲイじゃ無理だし。俺、チビだし」
「そんな…これから伸びるかも…」
「親は二人共小さいから、無理」
そういって、淋しく笑った。
胸がちくっと痛くなった。
なんでかわからないけど。
「ゲイも治らないしね…」
そうつぶやくと、教室を出て行った。
去り際に小さく私に手を振ってくれた。