第25章 カズヤⅣ
「あなたが幸せなら、ママなんでもいい…」
そういってじっと動かなくなった。
「ママは…?あの男と別れたの?」
「うん…ママ別れちゃった…」
ママは背の高いガリヒョロの男と付き合っていた。
ろくでなしだと思ってたけど、やっぱりそうだった。
ママはいつでも男を見る目がない。
だいたい、オカマをコマして食ってるやつなんてろくなやつがいないのに。
これだから、ロンドンからママには頼れなかった。
がりひょろには会いたくなかったし、借りも作りたくなかった。
大体夜の商売だから、連絡なんてとりづらいことこの上なかったし。
「ママ…俺も、ママが幸せになってくれるんなら、なんだっていいよ…?」
そういってママのふとましい腕を撫でた。
「うん…カズヤ。ママがんばるね…」
そういって鼻を啜った。
「パパとは別れたの?」
「うん。ロンドンにおいてきちゃった」
そういって笑ったら、げんこつをくらった。
「パパだってあんたのこと必死で考えてたのよ…」
「わかってるよ…」
パパはこの店の常連だった。
俺は店の営業時間にはいなかったけど、ママにくっついてるうちに、パパと出会ったのだ。