第25章 カズヤⅣ
その日は、雅紀も翔も仕事で遅かったから、ひさしぶりに郵便局の横の店に顔を出した。
開店前の4時に行くと、店の中はまだ誰も居ない。
奥に顔を出すとママがいた。
「ママ」
そう呼びかけると、ごつい顔のママはまだ化粧もしてない。
「あら!カズヤ!!ちょっと、ひさしぶりじゃないの!」
そういうとママは俺に膝を指し示した。
俺はその膝に大人しく座る。
ママは俺を抱きしめると、愛おしそうに俺の背中を撫でた。
「いい子にしてたの?カズヤ」
身長が180センチ近くあるママは、俺のことをすっぽりと包んでくれる。
翔と雅紀以外に、俺を無条件に抱きしめてくれる人は、この人しかいない。
「うん。いい子にしてたよ。ママ」
ママは、俺のこと息子だと思ってる。
親に放り出された俺を、本気で養子にしようとまでしてくれた人だ。
ママは俺の頬を撫でると、すこし顔を離した。
「…ちょっと、大人になった?」
「え?」
「表情が落ち着いたわ…」
そういうと嬉しそうにママは笑った。
俺も嬉しくなった。
「そうかな…大人になれたかな…」
「好きな人でもできた?」
「うん…好きな人達ができた」
「あら?乱交?」
「う…うん…」
「ま、いけない子…」
そういうとふわっと抱きしめてくれた。