第24章 カズヤⅢ
雅紀の目から、ぽろっと涙が零れた。
俺はそれを指で拭った。
無意識にそれを舐めた。
雅紀の味がした。
雅紀の目からは次々と涙が溢れてきて。
「なかないで…?」
俺はまだ小さな声しか出せないから、必死にそう言った。
「おねがい…」
もどかしかった。
喋れるようになったのに、全然伝わらなくて。
雅紀の涙は全然止まらなくて。
俺の服の裾でずっと拭ってたけど、それもびしょびしょになって。
最後には雅紀は俺を抱きしめて号泣した。
雅紀の胸は熱かった。
ずっと大人しく抱かれていた。
雅紀の体温は熱かったけど、心地よかった。
ずっと抱かれていたかった。
だんだん泣き声が小さくなって、そのうち消えて。
雅紀の身体が俺から離れていくのが淋しくて。
でも縋れなくて。
雅紀は俺の顔をじっと覗き込んだ。
俺は恥ずかしくなって顔を逸らした。
そんなに見たら、雅紀にバレる。
だから見ないで。
雅紀は俺の顎を掴んだ。
自分の方を向かせると、唇を重ねた。
俺は驚いて目を開けた。