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ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第24章 カズヤⅢ


「ま…さ…」


雅紀が驚いて振り返った。


「カズヤ!声!」


驚いて喉に手を当てた。


声をもう一度出してみる。


「まさ…き…」


雅紀が俺の前にしゃがんで、俺の両腕を掴む。


「もう一回、言ってごらん?」


「ま、さき…」


「カズヤ…!」


雅紀が俺をガバっと抱きしめた。


「声出た!カズヤの声が出た!」


自分のことのように雅紀は喜んだ。


「カズヤ、もう一回」


そう言って、何度も自分の名前を呼ばせる。


雅紀があんまり嬉しそうだから、俺も嬉しくなる。


ずっと言いたかったことを言った。


「あり…がと、まさ…き」


まだ声が出しにくかった。


雅紀はそれを聞き取れただろうか。


顔を見ると、泣きそうな顔をしていた。


どうしたの?


なんで泣きそうなの?


雅紀の顔を両手で包む。


泣かないで。雅紀。


俺は雅紀の唇に触れた。


指で。


お願い泣かないで。俺のために。


あなたの涙は、好きな人のために流してあげて。


親指は雅紀の唇を辿る。


俺の意思とは関係なしに。

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