第23章 カズヤⅡ
だから俺はそれまで甘えるんだ。
独占はできないけど。
俺の中に幸せをいっぱい貯めこむんだ。
そのあと、一人で生きていけるように。
高校を卒業したら、一人で立てるように。
それまでは…
この優しいお兄さんたちに甘えよう。
俺は開き直っていた。
そのかわり、勉強はたくさんした。
翔いわく、もう普通の大学を受験できるくらい、ということだった。
それほど学力が遅れていなかったことに安心した。
後は声さえ出れば。
あいかわらず、俺の声はどっかに行ったままだった。
お尻の傷なんてとっくに癒えたのに。
「カズヤの声はどこにでかけたんだろうな~」
雅紀が毎朝ふざけてくる。
俺はその度に顔をしかめる。
毎朝、聞き飽きた…
でも雅紀は俺のそのしかめっ面が見たいという。
変態だ。
でもこの変態憎めない。
むしろ毎日どんどん…
「ん?どうした?カズヤ」
そう言って雅紀が俺に近寄る。
言葉がでない俺のために、雅紀はよく身体に触れてくれる。
それで俺の気持ちを読み取ろうとする。
不思議なことに、すぐ気持ちが読まれてしまって。
とても恥ずかしい。