第23章 カズヤⅡ
「声がでないけど、そろそろ学校行こうか」
そう翔は言ってくれた。
雅紀も後ろで頷いている。
驚いた。
パパは行かなくていいって言ったのに。
「本当はもう高校3年生だもんな…痛かったな、この時期学校いけなくて…ごめんな。早く気づかなくて」
翔はそう言って謝るけど…
なんで?
なんで俺のこと、そこまで考えてくれるの?
俺はただ、お兄さんたちにセックスのやり方を教えただけのヤツだよ?
「遠慮することはないから。カズヤは勉強してればいいから」
そう言って雅紀は俺の頭を撫でる。
なんで?
なんでここまでしてくれるの?
聞きたいけど声がでない。
その代わり、涙が出てきた。
「な、何で泣いてるの!?」
雅紀が戸惑う。
翔は笑って俺の肩に手を置いてくれた。
「カズヤ、普通の高校生に戻ろうな…」
そう言ってくれた。
それから俺の小さな部屋には勉強するためのデスクが来た。
翔が実家で使っていたものだそうだ。
部屋が狭くなったので、ベッドを買うのは中止して、今まで通り雅紀のベッドで寝ることになる。
それからどんどん部屋には家具が増えた。
本棚や、クローゼット。
小さなソファまで。
俺は戸惑っていた。
だって、声が出るようになったら出ていかなきゃいけないのに…