第23章 カズヤⅡ
「しばらく、俺の家にいな?」
雅紀はそう言ってくれて、少し小さめの部屋を俺のために空けてくれた。
でもそこにはベッドもなにもなくて。
「ベッドは後で買うから、しばらくはリビングか俺の部屋で寝ようね?」
そういって頭を撫でてくれた。
素直に頷いた。
新宿の家はまだ残っているけど、もう家具なんかは全部処分してしまって住める状態ではない。
口座も残っているけど、カードをロンドンに置いてきてしまったから、再発行の手続きをしなければいけない。
でも未成年だから一人では出来ない。
声がでれば、いろいろやれることもあるけど、今の俺は全くなにもできない。
雅紀や翔に頼るしかなかった。
申し訳なくなって、雅紀と翔に頭を下げた。
ふたりともそんなことするなと怒った。
それから一週間経っても俺の声は出なかった。
雅紀は毎日俺の声を確認するけどでなくて、がっかりした。
俺の声が好きな人に似ているんだって。
そうならいくらでも聞かせてあげるのに。
なんで出ないんだろう。
翔も仕事の帰りに雅紀の家に、毎日寄って俺の顔を見ていってくれる。
俺の声が出ないのを確認して、頬を撫でてくれる。
気持ちよかった。