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ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第22章 カズヤ


耳が痛い。


気圧が俺の耳にダイレクトにかかって、鼓膜がおかしい。


飛行機を降りて、空港の中に入ってもまだ耳がおかしかった。


成田は暑くて。


飛行機の轟音と耳の痛さと暑さで、俺の身体は悲鳴をあげていた。


あの日の夜、夜遅く帰ってきたパパに、日本に帰りたいと言った。


パパは俺を殴った。


どれだけのものを犠牲にしてお前をここにおいてやってると思ってると言った。


俺は飼われてる。


そう感じた。


パパは俺を乱暴に抱いた。


愛撫も何もなく、すぐに突っ込まれた。


痛かった。


身体だけじゃなくて、心が痛かった。


ちがう、と心が叫んだ。


お兄さんたちはこんなんじゃなかった。


身代わりの俺のことすら、大事に抱いてくれた。


パパは俺のこと、アクセサリーだと思ってる。


一度は、信じてみようと思った。


だからロンドンに一緒に来た。


パパの腕に抱かれていると安心した。


ささくれだっていた心が、穏やかになった。


だから、もしかして愛があるのかもしれない。


そう思った。


でも、違った。


それは愛なんかじゃなく、パパの虚栄心で。



血が止らない。


無理やり入れられたところから出血して止まらなかった。


成田の空気は淀んでいて。


俺は通路の壁に手をついて耐えた。
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