第22章 カズヤ
『傷つけずに済んだよ』
「ほんとに!?」
『うん…カズヤのお陰だよ。ありがとう』
「その愛おしい人と、お兄さんたちはこれからどうなるの?」
『わからない…でも、今のところは俺も雅紀も同じ場所で立ってる』
「え?」
『つまり、身体は許して貰えたけど、心は許してもらえなかったってこと』
「ああ…って、え?身体は許したって…」
『セフレだよ…』
「えっ?」
『気持ちよかったんだってさ…』
「翔…もしかして勉強やり過ぎた?」
『そうかも知れない…』
「あちゃー…」
『まあでも、嫌われなかったし、傷つけなかったし…目標は達成できたよ』
声が晴れ晴れとしている。
いいなぁ…
本当に愛おしい人のことが大事なんだな…
羨ましい…
『カズヤは?パパと上手く行ってるんだよね?』
「うん…ケンカはしてないよ?」
そう、ケンカはしてない。
でもこの満たされなさはなんだろう。
学校にもいかなくていいというし、俺のこと飼い殺しにするつもりだし。
俺にだってやりたいことがあるのに。
本当に愛されているんだろうか。
わからない。
「そっちに…近いうちに帰るかも」
翔は黙った。
『一度、会おうか。カズヤ』
「…え?」
『迎えに行くから』