第17章 海鳴り
処置室に雅紀と翔くんが入っていって、泣きやまないチビたちを抱えて長椅子に座っていた。
こんなに時間が経つのが遅く感じることは、最近なかった。
「大野あんちゃん…翔あんちゃん、大丈夫かなぁ…?」
和が親指を咥えながら、俺の膝の上で呟く。
片方の膝の上にいる潤は、ぎゅっと俺の首根っこに抱きついたまま顔を上げない。
小さく震えている肩を抱き寄せた。
「大丈夫だよ…だから、良い子で待ってような?」
「うん…」
チビたちが泣きつかれて眠る頃、やっと雅紀が処置室から出てきた。
「ごめん…大野さん…」
げっそりと雅紀の顔がこけていた。
「どうだ…?」
「なんとか持ち直した…」
ほっと息を吐いた。
雅紀も長椅子に腰掛けると、そのまま背もたれに沈んだ。
「ああ…良かったぁ…」
暫くすると、ストレッチャーが出てきて病室へ向かった。
やっぱり入院になるみたくて。
チビたちを抱えながら、後に付いて行った。
雅紀はとぼとぼ俺の後ろを歩いていた。
ぐんっと急に後ろに引っ張られた。
振り向くと、雅紀が俺のシャツの裾を掴んで泣きそうな顔をしてた。
「ありがと…大野さん…」