• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第17章 海鳴り


民宿の名前の入ったワゴンの後部座席に翔を寝かせた。


「ごめん…大野さん、翔を抱えて貰ってもいい?」


「あ、ああ…わかった」


チビたちを前の席に詰め込んで、俺は後部座席に乗り込んだ。


翔くんの身体を抱えるとぎゅっと抱きしめた。


身体の上に布団を被せると、車は走りだした。


翔くんの身体は、熱くて。


額の汗が玉のように光って。


「翔くん…」


小さく呼びかけると、薄っすらと目を開けた。


「あれ…おかしいな…まだ夢みてる…」


そう言うと、にっこり俺に笑いかけて来た。


「翔くん…」


目を閉じた翔くんは、また意識を失った。


ぎゅっと抱きしめると、何もできない自分がもどかしくてしょうがなかった。


雅紀は無言で車を走らせる。


さっき来た病院の前につくと、雅紀が車から飛び降りていった。


すぐにストレッチャーを持った看護師さんが飛び出してきて、俺の手から翔くんを奪っていった。


チビたちがわあわあ泣いているからまた両腕に抱えて、ストレッチャーの後を追った。


タイヤの軋む音が、廊下に響く。


バタバタと普段は走ってはいけない廊下を力一杯走った。
/ 771ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp